栗田 佳祐(GARAGE CURRENT【ガレージカレント】 副店長)
アメ車と言えば、大きなボディ、余裕のある大排気量エンジン、力強いボディライン、、、
そんなイメージを体現しつつ、いつの時代も最高峰のアメリカンスポーツとして存在するのがコルベットです。
歴代コルベットはモデルチェンジのたびに大幅な進化を遂げており、性能はもちろんのこと、その見た目や特徴がガラリと変わるのもポイントの1つ。
どの世代を手に入れても、その個性を楽しむことができます。
今回ご紹介するのは6代目となるC6。
コルベットの存在そのものがアメ車を代表するスポーツカーではありましたが、
C6への改良時には世界基準でスポーツ性能を高められています。
先代C5で採用したトランスアクスル方式や盛り上がったフェンダーラインを踏襲しつつ、C2~C5まで続いたリトラクタブルヘッドライトの廃止やボディサイズの小型化がC6の特徴です。
先代のC5から全長は100mm、全幅は10mmの小型化を達成。それでいてホイールベースは30mm延長。
先々代のC4と同等のボディサイズまで小型化。
トレッド幅はC4比でフロント約100㎜、リア約40㎜も拡大。
ホイールベースに至っては約210㎜伸びています。
スポーツカーの求めるコンパクトな車体と長いホイールベース、
広いトレッド幅を歴代の設計から取り入れ改善したことで、
先代までのコルベットと比べて高い直進安定性とコーナリング性能を誇ります。
前後オーバーハングは切り詰められている為、取り回しが悪いということも無く、意外と街中でも乗りやすいのが特徴です。言い過ぎかもしれませんが、国産車で例えるならどこでもすいすいと動き回れるロードスターに乗っている感覚です。
スポーツ志向が高まった先代と乗り比べてみても、ステアリングを切った時の回頭性やリアの粘る感覚は見違える程進化しています。
私も実際に乗るまでは「アメ車なんて直線番長でワインディングはつまらない」という、よく抱かれがちなイメージを持っていました。が、実際に運転したところ、
「確かにこれはスポーツカーだ」と感じさせるフィーリングに驚かされました。
C5との差でそのイメージを持ってしまったのかと調べてみると、
スチール製フレームにFRPのボディシェルを採用し車重は1470Kg。ドライバーが乗り込み燃料が入った状態での前後重量配分は50:50。
そんな車体を動かす、5970cc OHV V8 LS2エンジンの最高出力は404ps/6000rpm、
最大トルクは55.6kg-m/4400rpmを発揮。
このスペックは同年代のポルシェ 911カレラS(997)や、
フェラーリ 360モデナと比べても見劣るどころか上回るパフォーマンスとなっており、
C6になってから「本気のスポーツカー」を目指して設計されたことが伺えます。
それでいて米国のトップスポーツカーとしての機能性、先進性も進化しており、
ボタン式のドアスイッチやエンジンスタートスイッチ、パワーシート&シートヒーターや各種インフォメーションを呼び出せるメーターパネルなど、同年代のライバル達にも引けを取らない装備が充実。
アメ車らしく内装は簡素にまとまっていますが、居住性、積載性共に2シーターとしては破格の空間を持っています。
今回ご紹介する個体はそんなコルベットの良さをさらに伸ばすカスタムが満載。
ヘッドライトを含む灯火類はLEDの社外品へ交換。
グロスブラックで仕上げられたフロントスポイラーとサイドスカート、そしてインナーブラックのヘッドライトはボディカラーのヴィクトリーレッドの差し色としてアクセントになり、
コルベットの持つスポーツ性をさらに強調。
カスタムする上で1番目に入ると言っても過言ではないアルミホイールも、WORK製のコルベット用特注サイズが装着され、引き締まった印象になっています。
正直、アメ車のカスタムは程度が難しく(やりすぎると下品になりやすいですし)、
とくにデザインの美しいコルベットはノーマルが一番!
と思っていたのですが、この状態なら全然欲しくなってしまいます。
前オーナー様はコルベットの良さを伸ばし、好みの形にうまくまとめ上げたな、と感心した次第です。
構造がシンプル故大きく故障することもあまりなく、ゆったりと乗ることもできる4速AT。
ワインディングから長距離巡行まで難なくこなせる万能型。
何より後継のC7はFR最終、現行のC8はミッドシップ化され別物。
どちらもスーパーカーの域に足を踏み入れており、性能も金額も気軽に手を出せる状況では無くなってしまいました。
今だからこそ手頃な価格で手に入り、アメ車入門としても、歴代コルベットファンにもおすすめのC6。
格好いいカスタムまで施されたおすすめの1台です。
ぜひコルベットの歴史をこのC6で体感してください。





































































